若林 隆久

悪いヤツほど出世する  ジェフリー・フェファー(著)日本経済新聞出版社

リーダーシップに関する通説(リーダー神話)と現実には齟齬がある。リーダーシップ教育産業は失敗している。その理由を「リーダーシップについてよく耳にする教えの大半は、事実ではなく期待に、データではなく願望に、科学ではなく信仰に基づいている」とバッサリ。リーダーシップ教育産業の端っこにいる私は忸怩たる思いもありますが、第7章のタイトルに「自分の身は自分で守れ」とあるように、みなさんにとっても必読の書かもしれません。※ キャッチーな邦題ですが、結構硬派な本です。

地域とゆるくつながろう:サードプレイスと関係人口の時代  石山恒貴(著)静岡新聞社

タイトルのとおり、地域にとことん関わるのではない、「地域とゆるくつながる」という関わり方やその可能性を提示しています。全国各地の様々な事例はとても参考になりますし、サードプレイス、関係人口、パラレルキャリアといった重要な概念も紹介されています。地域のことを考える上で、大変参考になります。

学習設計マニュアル:「おとな」になるためのインストラクショナルデザイン
  鈴木克明・美馬のゆり(著)北大路書房

遠隔授業・オンライン授業の導入によって、教育のあり方が問い直されています。学校側の変革も必要な一方で、学生にも学び手としての変革が迫られています。それは何かというと、自律した学び手として自分の学びをデザインできるようになることです。このことは、古くから大学生には求められていたことですし、変化が激しく流動性も高く生涯学習が当たり前に求められる現代ではもともと必須のスキルです。本書には、自律的な学習者=「おとな」になるために必要な内容が詰まっています。