土谷 岳史

「自由論」  J.S.ミル(著)岩波書店

読み継がれる古典というのはそれだけの価値がやはりあります。しかし、翻訳を古いと過剰に読みにくいことがあります。今年新訳が出た本書はずいぶん読みやすくなっているので、是非挑戦してみてください。

「科学の不定性と社会 ― 現代の科学リテラシー」 本堂 毅、平田 光司、尾内 隆之、中島 貴子 (編)信山社

科学は科学者全員一致で答えを出してくれるものではありません。コロナ対策を見てもわかるように、さまざまな試行錯誤と検証を繰り返しながら暫定的に合意が生まれていきます。科学的知識の産出自体が社会的過程であるとともに、科学的知識が社会で用いられるときにもまた不確定性をどう取り扱うかが問題になります。

「最小の結婚――結婚をめぐる法と道徳」  エリザベス・ブレイク(著)白澤社

結婚は長い間異性間で行われるものと考えられてきました。しかし最近は同性間の結婚が多くの西洋諸国で認められるようになっています。一方で日本では夫婦別姓すら認められない世界でも稀有な国になっています。結婚という制度とは何なのか?本書のような考察が日本ではとくに必要でしょう。