哲学は物事のそもそもについて検討する学問ですが、そこで言う「物事」にとくに限定はありません。ですから、みなさんそれぞれが興味のあるどの物事についても哲学的に検討することはできますし、そしてある程度の検討がなされている文献がきっとすでにあります。自分の好きな物事についてどういう哲学的検討がなされているかを覗いてみることは、かっこうの哲学入門になるでしょう。ここでは、音楽が好きなひとは多いでしょうから、音楽について哲学的検討をした本を紹介しておきます。本書とともに、単なる音と音楽では何が違うのかといった問いを考えてみるのはいかがでしょうか。なお、訳者のひとりである源河亨さんは『悲しい曲の何が悲しいのか』(慶應義塾大学出版会, 2019年)という本を書いています。こちらもおすすめ。 |