ご自身の原発反対運動へのかかわりから、ここ最近の裁量労働制をめぐるデータ偽装の話まで書かれている。何かを封じ込めようとする動きに対して、勇気付ける言葉も紹介している。ジェンダーの問題も「逃げ恥」などリンクされていて、読みやすく、とても面白い。 筆者は、もともとJILPTの研究員から大学教員へと転じられた方。基本的に、手堅い調査を行う労働研究者のイメージがあった。その方が、どうしてここまで政策的な問題にコミットするようになったのか。結果として、という側面はあるが、そこには研究者としてのプライドもあるように思えた。 研究者としてのたちまわりを考えさせられる、とてもよい本だと思った。 |