著者が手がけたAI東ロボ君は、センター試験受験者の上位20%に入った。また、著者は“TheFuture of Employment”や“Race Against the Machine”に先駆け、2010年に『コンピュータが仕事を奪う』をいち早く上梓している。本書では、シンギュラリティの到来を完全に否定しながら、同時に、多くの人が失業することに大きな警鐘を鳴らしている。著者は、かりに自分は職を失うことがなかったとしても、失業者が増えれば、「可処分所得の中央値が劇的に下が」り、「今までのようにモノやサービスを購入できなくなる」としている。AIに対する人間の比較優位を、しっかりと見極めていかなければならない。