福間 聡

 「ロボットの脅威--人の仕事がなくなる日」 マーティン・フォード(著)(松本剛史 訳)日本経済新聞出版社
 労働現場におけるロボット化(AI化)の現状と未来について考察しています。サブタイトルにもあるように、人の仕事のほとんどが汎用AIロボットによって行われる将来にあっては、新たな経済パラダイムとしてベーシックインカムの導入が必要であることを著者は主張しています。
 「人工知能と経済の未来2030年雇用大崩壊」 井上智洋(著)文藝春秋
 経済学の観点から汎用AIロボットの出現(2030年前後)が日本社会にもたらす様々な影響について考察しています。この著者の井上氏も「純粋機械化経済」における社会保障政策としてベーシックインカムの必要性を提起しています。
 「モラルの起源--実験社会科学からの問い」 亀田達也(著)岩波書店
 「なぜ我々人間は協力的な行動をなしうるのか」という問いについて、実験社会科学の観点から考察している著書。また財の分配に際して、「最不遇状態への関心」(最も不遇な状態が最もマシである分配状態への関心)(p. 155)というものを我々は有していることを本書では示唆している。