欧米諸国に比べて、女性の社会進出が遅れており、かつ少子化に歯止めのかからない日本。この2つの課題をどのように考えるべきか。
本書は、歴史的経緯と国際比較という視点から、この問いに接近する。とくに興味深いのは、「高福祉・高負担」のスウェーデンと「低福祉・低負担」の米国が、ともに女性が社会で活躍し、かつある時点から出生力を高めた点である。その理由は何か。
著者は、幅広い知識と自分の研究を踏まえながら、読みやすい文章で日本の「仕事と家族」をめぐる問題の考え方を提案している。
是非とも、読んでもらいたい一冊である